
はい、やらかしました。
自転車の鍵、無くしました。
どこを探してもない。ない。ない。ない。
でっかい鈴をつけて、落としてもわかるようにしていたのに、ない。
基本、リュックサックか小さめショルダーのどちらかしか使わないのに、そのどちらにも入っていない。スカートのポケットにも入っていない。
「マジか……」
しかたなく、机の引き出しにしまいこんでいた、「スペアキー」を取り出す。
「つ、ついに……」
ゴクリと唾を飲みこむ。
このスペアキーは、最後の砦。
そう。私には、もうこれしか残されていない。
急に、緊張感が走る。
スペアキーが「レギュラー」に昇格してしまったのだ。
「もう、後がない……!」
ちなみに、人生で「自転車の鍵を完全に無くしてしまった」経験は、私にはまだない。なので、完全に鍵を無くしてしまった末路がどうなるのか、それが全くわからないのも恐怖を煽る。
自転車屋さんで解決できるのか?
メーカーに問い合わせとか、ややこしや〜なことになるのではないか……。
私はそれが怖くて、長いこと、「数字を合わせるタイプ」のチェーン型の鍵を利用していたのだ。
だけど、一念発起して購入した電動自転車は、さすがにチェーンじゃ心もとない。というか、最初から立派な鍵が付いているし。
自分の性格からして「鍵、なくすだろうな……」と一抹の不安はあったものの、新しい自転車には、2つもスペアキーが付いていた。
レギュラーを入れれば合計3本。
つまり、1つ無くしても、あと2つ。もうひとつ無くしても、まだ1つある!
そんな安心感から、私はチェーンを卒業したのだった。
なのに。
「スペアキーが2本もあるんだぜ」という安心感は、私の気を緩ませた。
毎度、同じ場所に保管すればいいものを、玄関先にぽいっと置いてみたり、カバンの内ポケットに入れてしまったり……。
そして案の定、自転車購入後、わずか5ヶ月で1本目の鍵を無くしたのだ。
半年も経たずに……。なんと愚かな……。
さすがに、この時は反省した。このペースでいくと、残りの2本もどれだけ持つか分からない。
心を入れ替え、玄関に、鍵をかけるフックを取り付けた。
必ずここにかければいいのだ。簡単なことよ。
それから数年……。
鍵はちゃんと玄関にかけられ続けていた。
たまに、「あれ? やだー、ポケットに入れてたー」ということがあっても、ちゃんとすぐに発見されていた。
なのに。
今朝。
ついに、紛失してしまったのでした。
さーて、ラスト1本!
心を入れ替え、鍵を守り切れるのか。
緊張の日々が、いま始まる。
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